カビは、他の微生物と異なり発達スピードが遅い。その為、製品が消費者の手に届いてから、目視でも確認できるようになり、クレーム対象となりやすい。
食品の長期保存が出来る様になった事から、賞味期限内でカビが発生すれば、当然カビクレームの対象となる。
最悪、製品回収など企業に与えるダメージは、回収費用だけでなく企業イメージをダウンさせる事にもなりえる。
食品工場内で発生したカビは、一つの製品だけでなく全ての製品にまで影響を与える可能性が高い。
紫外線を用いた殺菌は、浮遊するカビの胞子に狙いを定めて不活化させるので、そもそも付着・発育もさせない事を目的としている。
カビは土壌をはじめとする自然環境中に多く存在していますので、工場への侵入経路は無数にあります。
空気中に浮遊した胞子が、工場の窓や扉から風に乗って侵入しますし、従事者や資材などに付着して持ち込まれる。
これは、防げないのでその後どうするか?
食品工場やスーパーマーケットなどの施設は、湿度・温度などカビが繁殖しやすい環境が整っています。
温度管理や湿度管理も大切ですが、限界も有りますし、うっかりも有ります。増殖する前にやっつければ、付着する可能性も少なく成ります。
熱を利用する食品の場合、加工時の加熱でカビはやっつけられます。
その為、カビクレームの原因は、加工から包装までの間になります。
一般的には80℃30分で殆どのカビは除去できますが、乾燥している場合この限りではありません。
エアコンのフィルターや空調ダクト等は、カビの温床。増殖します。
吹き出し口から、カビの胞子を工場内にまき散らす事に成りますので、清掃は欠かせません。
工場内に侵入してきた、浮遊している胞子をやっつける事で、その後の落下菌による付着増殖を抑える事が大切だと考えます。
そう、元を断つイメージです。
薬剤は残留物が残ります。またエタノールを資化するカビも確認出来ております。
薬剤による清掃は従業員の重労働に成り、必要以上の作業は避けたいものです。
カビも「真菌」ですので、UV-C(殺菌作用のある紫外線)での不活化は可能です。
代表的な黒カビ(クラドスポリウム)などにも効果が有ります。
カビやその他の乳酸菌、大腸菌や食中毒菌など食品施設の厄介者全てに効果があります。
殺菌線は、光の仲間ですので、薬剤の様に残留物を残しません。ですので食品へ薬剤混入などあり得ません。安心材料ですよね。
紫外線は、薬剤では有りませんので、残留物が残らず床や空気中の浮遊菌の殺菌も出来ます。汚染された工場内の落下菌も防ぐ事が可能と成ります。
業務終了後など、人の居ない環境下において、紫外線を照射します。紫外線光が当たる場所は殺菌可能ですが「影」に成る場所は殺菌できません。
カビ名 | 1/1000不活化に必要な紫外線照射量 | タワー型1mでの時間 |
---|---|---|
コウジカビ | 18mJ/㎠ | 1分30秒 |
アオカビ | 15.3mJ/㎠ | 1分13秒 |
クロカビ(クラドスポリウム) | 52.2mJ/㎠ | 4分9秒 |
下記の図は、タワー型紫外線装置を食品庫で使用した場合の殺菌シミュレーションに成ります。
5M×5Mの中心に装置を設置した場合、各色の範囲が殺菌までの時間に成ります。
シミュレーションで時間を確認できるのは、安心ですよね。また、床にも紫外線が照射されている事も可視化出来ます。
この装置のメリットは、床や壁の表面だけでなく、空気中の浮遊菌も不活化出来る事。即ち落下菌対策に成るのです。
薬剤での清掃と違い、空気中の浮遊菌を不活化させる事で、落下菌→付着→増殖をさせない。これが狙いです。
浮遊している間に処理してしまえば、落下、付着も無く成ります。
また、処理できなくて落下、付着しても紫外線光が当たれば、不活化します。
紫外線殺菌を導入した企業様からは、「著しくカビの胞子が減少した。」との報告も有ります。貴社でも衛星管理の一つとして検討して見ては、如何でしょうか?
それなりの効果は多大にあると思いますよ!
余談ですが、食品工場で働く従業員が、感染症を持ち込んでも、感染拡大を防ぐ事も可能です。
製品写真 医療機関手術室で使用されてもいます。
エアコンはカビの温床。エアコンからの送風が、カビの胞子をまき散らしています。
食品工場が作業中の場合、空調設備を利用して、浮遊菌の不活化も可能です。
この装置の特徴は、紫外線を部屋上部に照射しながら、空調機内の空気も殺菌出来る事。製品詳細は、画像をクリックして下さい。
弊社は、設計可能ですので、ご要望をお聞かせいただけましたら、カスタム対応いたします。
記事を書いたのは 株式会社ラ・ポルタ 代表取締役 勝見登
紫外線も「光」です。紫外線の強さや、配光などを照度シミュレーションを使い設計する。
株式会社ラ・ポルタ代表取締役勝見は、平成19年からLED照明に携わり、多くの演出照明やライトアップなどの「光」に拘ってきました。
一般社団法人照明学会正会員であり有資格照明コンサルタントでもある勝見が、紫外線光を多くの人が安全に使用できるように執筆しました。
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